『モンゴロイドの道』科学朝日編, 1995, 朝日新聞社

[アメリカ大陸を疾走する]
 モンタナ州のアンジック遺跡では、少量の人骨とともに石器用の石材、クローヴィス尖頭器、加工したマンモスの牙など一〇〇点以上の品物を副葬してある墓が見つかった。そしてこれらの遺跡すべてに赤いオーカー(黄土)が分厚くかけられていた。(p84)

[オセアニアへ乗り出す]
 内陸部の木は、農耕のために切り倒され、焼き払われた。堆積土壌の分析をすると、人間が居住し始めたころに炭化物が激増するのが、多くの島で観察される。また、それまで島を覆っていた樹木類の花粉が激減し、シダ類や草本類の花粉が急増するとともに、拡散集団が持ち込んだ栽培植物の花粉が出現し始める。
 このような植生の変化は個々の島の風景ばかりか、地形をも変えたのである。内陸部の樹木が切り倒されたことによって、土壌流出が起こり、不毛な荒れ地と化した。現在でも多くのオセアニアの島に見られるラテライトと化した内陸風景がそれにあたる。(pp127-128)


ラテライト、紅土
…貧栄養の酸性土。赤土の一つ。顔料、レンガなどに。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88

形成[編集]

風化による溶脱が起こる母岩によって成分も変わる。主成分は石英と重金属酸化物である。ボーキサイト花崗岩類から、鉄は苦鉄質火成岩から、ニッケル超苦鉄質岩から由来する。起伏が少なく溶脱塩類が流されないところで形成が進む。地質年代では新第三紀から第四紀にかけて発達したが、更新世中期から地球の寒冷化により形成が遅くなった。

産地と利用[編集]

ラテライトは世界の地表の1/3を占めると言われる。ラテライト化した最も古い岩石ブラジルオーストラリア先カンブリア楯状地の岩石である。それより新しい時代の造山活動に伴う岩石では、グアテマラコロンビア中部欧州、インド、ミャンマーニューカレドニア、キューバ、インドネシアフィリピンなどがある。
カンボジアアンコールワットには、山地から切り出された砂岩とラテライトが建築石材として使われている。また、水の浸透が良いため、スリランカでは地下のラテライト層を水が通り、アイルランドでは下水アルミニウム、鉄分の吸着材に使われるという。
ボーキサイト鉱床はラテライトが最も利用されている例だが、インドや南米で見られるように帯状に分布するのが特徴である。

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