Sabae, Fukui

輪島と九谷に行った帰り。
九谷の陶芸家となった友人伊藤君の車に乗せてもらって、福井県に行って来ました、北海道の友達で福井の鯖江に移住したもりめぐの紹介で、越前漆器の産地鯖江で木地師の見習いとなった酒井さんをご紹介いただき、お話してきました。

全国の漆産業全体が低迷していることは容易に想像がつき、産地に行けばまたそれが様々な問題となって現れている、ということは今までで実感していました。

ここ越前漆器はプラスチックの型を使用した超大量生産式の安価品がメジャー商品となってしまい、木地師、塗師の技術継承が今まで訪ねた産地よりもさらに厳しい状況と感じました。

漆の塗装は、木地固め、布きせ、下塗り、中塗り、上塗り、とその間に研ぎの工程も入り、非常に手のこんだもので、特に木地固め時の製法と上塗りの製法が産地によって特色あるというのが、選ぶ側の知識を試される場面であり、楽しさでもあります。しかし、越前漆器の特色である柿渋をつかう渋固めの工程は、本当の木地を使っていてももうほとんど無いのだと塗師さんのお店で伺いました。

上塗りは塗立てという技法で、確かに塗師さんのこの技術は一級品です。
資料兼趣味で古代匠畠中さんから、センの木目を活かした塗りの小さなお猪口を購入してきました。

北陸工芸巡りの旅行、楽しすぎました…笑。北陸をこんなにまともに巡るのは初でした。

日本の工芸品のレベルはものすごい。目が肥えれば肥えるだけ、良い作家、良い作品と出会えるのだろうと思う。



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