ゼミ旅行3

最終日。
8月6日

この日は朝、露口さんという写真家の方のワゴンに乗せてもらってゼミ生全員モエレ沼公園まで送っていただいた。
モエレ沼公園のガラスのピラッド内にあるギャラリーでは「Walking -歩行という経験-」展の会期初日。この展示を見るのが旅の目的の一つ。

そしてその日のメインイベントであるモエレ沼公園〜豊平川のウォーキングツアーに参加。午前から昼まで3時間かけて15人ぐらいで川を歩いた。
とにかく暑かった、という訳であまり記憶が無いのだけど、
歩く途中に豊平川沿いにある墓所が「開拓使の墓」だということで紹介されたのが印象に残った。というか、墓を紹介することに対してちょっと反感を持った。
今考えると、それがとても普通の墓所だったから、それが特別であるような価値付けをされた(ような気持ちにさせられた)ことに反発を覚えたのだと思う。こういう時、根が田舎者だということと、保守的な人間性がよく現れてると思う。
子供の時にいつも車で通っていた海沿いの道には一定間隔でそのような墓所があった。なにもない農地や荒野にぽつんと丘があって,上に数十基の墓石が立っている、というのはある時期にそこにたしかに集落があったということを意味しているのだ。それが大事で押さえておくべきポイントだからといっても、自分はそこで写真を撮ることは出来なかった。

けれど墓を見ていたら、古いものは札幌軟石で掘られていたということに気づいて一気に身近に感じてしまった。その石で卒業制作作品を作った友人が居たのでなおさら。
支笏火山の噴火の後に形成されたもので、支笏湖と切っても切れない関係の石でもある。軟石というぐらいだし、本当にこの石はとても柔らかくて、たぶん簡単な手仕事で物を作るには向いている。主に建造物を建てるために産出されていた石なので、それを流用して墓石に使っていた時期があったのだと思う。産出地から遠のく道南ではそういった墓石を見る事はない。


そういう訳で、私にとっては道央で過ごした時期や、その時に学んだ道央の地理・歴史を振り返るには十分に充実した旅でした。
ゼミ旅行がそのイベントを持ってして終了し、札幌でゼミ生と別れて実家に帰ったりしていました。

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