静狩湿原の話

リマンベで金山ネタがあったので思わず調べもの。

湿原の話をします。

長万部町の東側にある静狩湿原は大正時代に霧多布湿原と共に「天然記念物」に指定され保存さました。
それがまず、昭和15年に、国策だった金増産運動に伴った静狩金山の鉱津捨場の設置のために、1.7㎢分ほど天然記念物指定を解除されました(実際には開発困難のため放棄)。
第2次大戦後、再び国策であった食料増産の流れと、また町民の<悲願>だった泥炭地開拓の熱に押され、昭和26年に天然記念物の指定が解除されました。
解除後すぐに湿地から排水する灌漑工事が始まり、ほとんどすべての泥炭地エリアは、いまや農地となりました。

霧多布湿原と同時期に保護されたなんて、いったいどれだけの景観が広がっていたことか!!この町民の開拓熱とか楽天的な感じも長万部っぽくてすごい好きだし、湿原の辿る歴史そのものも悲喜交々の物語で好きだ。

わたしも、子供の頃からさあ、この時々サバンナみたいな(特に八雲〜長万部の海沿いって『どうぶつ奇想天外』で映されてたサバンナみたいじゃない?)寒々とした景色を、もっとジャンジャン開発すりゃいいと、それで豊かな暮らしが手に入るとなんとなく思っておりました。しかしながら、そもそもそこらへんが開発されてもですね、私のような庶民の個人レベルでの豊かさというのとは、もはやあんまり関係ないんだなってことが大人になってよく分かってきた。

もう長万部および北海道は開拓悲願の思いから目を覚まして、今培ってきた農業漁業生産に関する資源の維持はもちろん必要だが、それと同じぐらい環境保護に手をかける時代になってよいのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

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