「ミグラード:朗読劇『銀河鉄道の夜』」より

この列島に住みこむわれわれの社会は、ずたずたになっている。深く傷ついている。東日本大震災から二年半がすぎて、かつてなかったほど明らかになっているのは、そのこと。あらゆる種類の亀裂が、崩落する氷河のようにひろがろうとしている。もう止めると決めたはずのやり方や仕組みを血走った目で守ろうとする者たちがいる。でも、いま、本当は誰もが選ぶことを迫られているのだ。昨日に別れて、少しでもよい明日を作り出すために。きみは渡り鳥として飛ぶか、それとも小さな橋を作るのか。いずれにせよ、合言葉は「渡り」となるだろう。
管啓次郎
(「あとがき」『ミグラード:朗読劇『銀河鉄道の夜』』2013年、勁草書房)

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