北海道らしい 野生動物とのつき合い方プロジェクト 検討報告書

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■その6:静狩湿原はまだ生きている
 長万部町の東側にある「静狩湿原」は大正時代に学術的に価値あるものとして「天然記念物」に指定され保存されていました。それが第2次大戦後、食糧難の時代に入り、昭和 26 年に天然記念物の指定が解除になり、湿地から排水する灌漑工事が始まり、現在まで続いています。その経過は国道のそばに建立された記念碑の裏に記されています。
 もうすでに「静狩湿原」は消失したと思われていますが、ところがどっこい、面積は南北 200m東西 600m程に狭まったものの、まだ湿原として生きているのです。
 この湿原に立ち入って観察すると、いくつもの窪みのある地形に気づきます。ここに池塘(ちとう)*があったことを示しているものです。 湿原の中央部分には、水をたたえた池塘が4~5個あり、ミツガシワ、ジュンサイなどが生育しています。その付近はふかふかしたミズゴケが生え、季節になるとトキソウ、ホロムイツツジ、ヒメシャクナゲなどが可憐な花を咲かせます。
 湿原だから育つこのような植物は、水分の減少に伴って徐々に滅びていきます。植物は
口がきけません。だれが滅びていくものへ挽歌をうたうのでしょうか。
 湿原の中をだれでも勝手にどこでも歩ける湿原なんか、そうざらにありません。「静狩湿原」には木道もありません。出入り口もありません。ワラビ採りをするのも自由です。ひょっとしたら盗掘も自由なの?
 現在湿原の価値が見直され、生物の多様性や希少生物の保護、保存が叫ばれる一方で、このような理不尽な扱いを受けている湿原もあるのです。
 ほんのわずかの予算があれば後背地の山から流れ込む豊富な量の水を引き込んで、よみがえらせることだってできる可能性はあるのに。
 写真のミツガシワの池塘もそう遠くない年月の中で消滅します。滅びたものを復元させることはできません。いま、ほんの僅かの予算があれば、湿原とそこに生きる多数の命を消滅させずに済むかも知れないのに・・・・。

http://www.oshima.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kks/grp/WLP_2nd_pp009-058.pdf
2006年
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http://www.oshima.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kks/grp/WLP_1st_pp001-008.pdf

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