流浪は、ある断念から出発するのではなく、起源にある傷つき領土を喪失した状況に対する不満から出発するのでもない---それは決然とした拒絶の行為ではなく、手放しの放棄の欲動でもないのだ。<他者>がかかえる問題に取り組むことにより、人は自己に出会うこともある。

『<関係>の詩学』
エドゥアール・グリッサン、管啓次郎訳
インスクリプト社、2000年、p28

コメント